見えないけど、観ているモノ

これは狐面を付けて古民家を歩きながら
我々日本人が古い家に抱く畏怖や霊性、不意に感じる存在感など
「見えていないけど、在るように感じているモノ」を観る作品です

現実世界にバーチャル映像を重ねて表示できるARグラスを面に仕込み
曖昧に知覚していた文化的な世界「観」を再認識することに挑戦しています

Visualize unseen cultural world

This is an art work that visualize Japanese unique "unseen world recognized by Japanese common sense" in used antique things and old houses, through the fox mask.

The mask equipped AR grass that can over virtual object on real scene awaken senses Japanese unseen sight of scenes.

ステートメント / Statement

古いものには神が宿る
扇子は縁起が良い
など、日本人は縁起や習慣などから文化的に
「見えないけれどほぼ同じ感覚で得ている情報」を持っています。

その一方、ARは「拡張現実」と訳され
主に現実世界に新しく情報を付加する使われ方が主流です
本作品では
見えないけれど元々「在る」と知覚している情報を
ARで見えるようにする使い方を提案します。

また、これら「見えないが、観ている視界」は日本に限らず文化的な感覚によって培われているものであるとし
見た目や言葉で説明できない文化・民俗の世界「観」を視覚化することへの挑戦でもあります

Most Japanese traditional art used metaphor expression. For example, Karesansui (Zen garden) put rocks compare island. Rakugo that the art of traditional Japanese comic storytelling compare Ogi (Japanese hand fan) to chopsticks and smoke tube. But usually, these things don't show what compare. So Most Japanese knows what compared as common sense. Most Japanese has not only a sight but also overlaid another unseen world.

AR(Augmented Reality) is usually add information to real sight. But this art work visualize already existed information in accumulated Japanese lifestyles.

日本古来の面 x AR
Japanese traditional Mask and AR

狐面のマスク ARグラス nreal lightを仕込んでいる

日本の面は、顔を覆い隠す「Mask」の役割だけでなく
神事や芸術を通じて多様な使われ方をしてきました。

例えば、面をつけた人が魔を払う力を得ることもあれば
時に神が面を付けて夢枕に立つ伝説も存在します。

このように面は自身の存在を曖昧にし
不確定で神秘的な存在と自分を同等の立場に立たせる側面を持ちます。

一方でARは「仮想世界の一部を現実世界に表示する」機能を持ちます。

面もARも、見えない世界につながるための装置という点で同じです。

本作品は、ARと日本の面の類似点と親和性の良さを表現手法の核としています。

今回はARグラスのnreal lightを狐面に仕込み
人が古民家や古い暮らしに対して持つ「見えないけど認識している存在」を表現しました

The Japanese masks used to be many scene performing art and Shinto or Buddhism ritual as important tools. It have some functions that not only cover face but also change myself to obscure subsistent to communication with god or mystical existent.

Japanese mask and AR have same function to connect unseen world.
This art work use AR grass "nreal light".

アーティスト / Artist

dai & mai

瀧 大補とヴァルドネール舞で構成されるクリエイティブユニット

Daisuke Taki / 瀧 大補

インタラクティブエンジニア

エンターテイメント領域に特化したインタラクティブコンテンツの企画、製作を行う傍、デジタルメディアを駆使したアート活動を行う
空間演出、センシングによるインスタレーション等を得意とする
ARの本質と日本古来の「見立て」の文化に親和性を感じ、新たな表現手法として模索中

https://daisuketaki.jp/

株式会社U. 代表取締役
兵庫県メディアディレクター(2019-2021)

Valdenaire Mai / ヴァルドネール 舞

GUIデザイナー

グラフィックユーザーインタフェースの、デザイナー。
幼少期よりデジタルグラフィックに親しみ、イラストレーションやフォト、グラフィックの制作を行う。
自信を被写体として制作・撮影するコスプレのパフォーマンス活動をつづけ、さまざまな世界観に挑んでいる。

現在京都を拠点に日本文化と向き合い、デジタルの融合を模索し、App,webサービスなどの設計、制作などを行っている。

http://maivaldenaire.com

協力 / Support

OKUMOVIE

撮影・編集

環境芸術家 山之内 理枝

ステートメント監修/アート指導